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憎まないということ

「あなたには“能力”がない」というパワハラ
 
私は、メーカーで営業や貿易をしていたが、ある日突然、部長から呼び出されて、「君は能力がない」「英語が出来ない」「前の会社に戻ったらどうだ」等と、パワハラや退職勧奨を受けた。私はそれまで、この部長から職場の人事、予算、職場整備、新規引き合いなどで、仕事上で頼りにされており、彼との個人的な関係も良かったので、驚いた。私は、パワハラや退職勧奨を、9か月間の闘いの末、法的手段によって解決させた。しかし、私は、この部長のことが、今でも憎い気持ちがある。
 「あなたは能力がない」と面罵されれば、誰も腹が立つものである。しかし、私は、謙虚に反省してみると、自分の“能力”というものは、確かに足りなかったかもしれない。私は、会社の売上を大幅に増やすことが出来なかったし、シンガポール訛りの顧客の怪しい英語を通訳することも出来なかった。これらのことは、職場の誰もが出来ていないので、“能力”があれば出来たかどうかは判らない(たとえ“能力”があっても出来ないこと―不可能なことだったかもしれない)。“能力”というのは相対的な概念なので、私は“能力”十分であったとも、“能力”不足であったとも、言えるのである。

弱者であるパワハラの主
 
部長は、遠隔地に病気の実父(90歳台)がいたため、彼は、よく介護のため、有休取得、遅刻、早退をしていた。私は、
部長の事情に同情的だったので、職場では部長不在時のフォローや代役をよくしていた。
 部長は、週末の金曜日、突然私を呼び出して、退職勧奨やパワハラをした。そのうえで、「週明けの役員会に私は出席するが、そこで、あなたの異動が決まる」と、脅した。私が、週末、誰にも相談出来ずに、精神的に苦しむことを狙って、部長はやったのである。
 しかし、部長は、当の週明けの月曜、突然有休を取得して、役員会を欠席した。調べてみると、実父の体調が、前触れなく悪化したためであった。
 私は、部長の介護事情は理解出来るが、私自身が退職させられるかどうかの切実な状態なのである。部長は、私に対して、突然宣戦布告をした。それなのに、「介護だからちょっと待ってくれ」というわけにはいかない。
 部長は、翌日の火曜に出てきたが、さすがにバツが悪いらしく、私に話しかけなかった。私はわざと「異動の話はどうなりましたか?」とこちらから、尋ねなかった。
 
私は、木曜に有休を取得して、2種類の対抗手段を準備をして、その内の1つを会社側へ通知した。私が、翌日の金曜に出勤すると、部長はまるで自分がクビになったような、真っ青な顔をしていた。一方、私は、その週末、心の余裕が出て、河川敷へウォーキングに出かけたことを、覚えている。今度は、部長が精神的に苦しむ番であった。

弱者が若者を追い詰める構図

 部長は、要介護者を遠隔地に持つという弱者である。会社を辞めるわけにはいかない。そのため、会社の売上が上がらないと、部下のせいにして管理職としての責任を回避しようとしたのである。誰かを辞めさせるのに、部長にとって、最も忠誠心がある私を、退職に追い込むことにした。「自分がかわいいから、オレの代わりに、オマエが辞めてくれ」という、部長のエゴイズムである。
 部長は、退職勧奨やパワハラを実行したが、精神的な脆さのため、「相手に反撃されるのではないか」という恐怖感で、真っ青な顔をしていた。そして、私に会うのを避け始めて、出張を口実に職場に寄り付かなくなった。精神的にパニックを起こしていた。
 
そのため、代わりに、総務課長が本社からわざわざ出張してきて、私に対して、退職勧奨やパワハラを始めた。私は、総務課長が嫌がらせをする間、A4判の大型ノートで、記録していた。そのため、彼も私と会うと、歯の根が合わなくなった。総務課長も私と会うのを避けるようになった。
 私は、もし退職勧奨やパワハラをやるなら、堂々とやればいいのにと考えた。パワハラはどんなものであっても違法だが、退職勧奨を適法にやる方法はある。しかし、彼はそうしたことも勉強せず、自分自身がやってしまったことに、怖れおののいていた。

加害者の立場を分析する
 
退職勧奨やパワハラについては、約3人の上司が関係していると言われている。会社は、汚い仕事を、立場の強い人には押し付けない。部長の立場を分析してみよう―彼は、①中途入社で、②遠隔地に要介護者がおり、③住宅ローンがあり、④教育費のかかる子ども2人がいる。総務課長は、①ガン手術から退院したばかりで、②やはり子ども3人がいるのである。会社は、部長や総務課長の弱味を利用して、「あいつを辞めさせろ」「早く辞めさせなければ、オマエのほうが辞めろ」と、頑張らせる。
 だから、加害者自身が弱者であるため、退職勧奨やパワハラの現場は、弱者と弱者との間の幼稚な争いになりがちだ。弱者が弱者を追い詰めると、手段が陰湿となって、地獄絵図のようになるものである。
 問題を解決するためには、パワハラや退職勧奨を受けた人間は、ワンランク上の手段を取る必要がある。ふにゃにゃした加害者を相手にせず、彼らに命令を下している者たちに、反撃するのである。部長や総務課長が、退職勧奨やパワハラをすればするほど、代表取締役がますます困るという構図にもっていかなければならない。だから、私はパワハラの主に対して、直接反撃をせず、謝罪も求めず、合理的な解決を、成立させた。
 私は、パワハラや退職勧奨に遭っても、それは既に解決していて、会社自身に責任も取らせた。加害者個人については、「相手も弱者だったかもしれない」という洞察を深めれば、私も自分の心の中の憎しみを追い出すことが出来るのである。


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