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JR福知山線事故 考察 [社会を考える]

 以前にも書いた通り,日比谷線事故とJR福知山線事故は,同じカーブでの脱線事故である。日比谷線事故の場合は,脱線に気づきながら,

 車掌(脱線に気づく) → 運転士 → 指令室(指示できなかった)

 というふうに,脱線の事実が伝えられた。JR福知山線事故の場合は,車掌は脱線に気づかなかったが,脱線しそうだと思い,

 車掌(脱線しそうだと心配になる) → 指令室 → 運転士(応答しなかった)

 という流れであったらしい。

 一般の人に不可解なのは,脱線に気づいた,あるいは脱線しそうだと思ったら,気づいた人(この場合は車掌)が,なぜ列車を止めないのかということである。列車のブレーキは運転士のほかに,車掌も扱うことができる。ブレーキが手元にあるのである。そもそも列車の車掌はそういう異常事態に備えるために乗車しているのである。加えて車掌というのは運転士よりもずっと年上で,運転士経験もあり,ベテランである。ベテランが万一のために備えているのである。

 これについては,2つの推測ができる。1つは運転士も車掌もロボット人間化しているということだろう。ロボット人間なので,異常事態が起これば報告して判断を仰ぐという形が身に付いているのではないか。もう1つは,原則として異常事態が起こってもすぐにブレーキ操作をするなということを徹底されているのかもしれない。これはダイヤが乱れたら,サービス低下となり,競合他社との競争に敗れ,長期的には収益が低下するからなのだろう。

 脱線から事故が起こるまでは相当に短い時間である。その短い時間の間に素早く判断して,列車を止めることができれば,事故の発生を防いだり,事故が発生してもその被害を小さく食い止めることができる。

 現在の鉄道技術ではすべての脱線を防ぐことはできない。だからこそ,脱線したときに被害を食い止める設備(脱線防止レール)や,脱線したときの乗務員の判断(非常ブレーキ)が大事なのである。

 1990年に米国・ボストン郊外で,列車が脱線を起こして,転覆したまま駅に突っ込んだ。脱線・転覆の様子が,今回のJR福知山線事故にそっくりである。死者は出なかったが,600余人が重軽傷を負ったという。日本とは違って,米国ではアメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)という航空機や船舶,列車などの事故原因を究明する機関がある。このNTSBの調査によると,脱線はカーブでのスピードの出し過ぎが原因だった。運転士と運転士を訓練する指導機関士が乗っていたのだが,2人はスピードを出して,6分間のダイヤの遅れを取り戻そうとしていた。カーブの制限速度は時速48キロメートルだったが,列車は2倍以上の時速122キロメートを出していたという。列車を運行させていたアムトラック社は事故時の速度などを記録していたイベント・レコーダーを改ざんしたり,運転士や指導機関士が嘘の証言をしたりしたが,後に明らかになったという。

 上記の例は今回のJR福知山線事故に似ているので,参考までに書いてみた。

 繰り返して書くが,クボタ尼崎工場の石綿労災事故の話は,今回のJR福知山線事故が発生した尼崎を現場とするニュースだが,まるでJR福知山線事故の報道を覆い隠すように,非常に大きく報道されている。私はこれについては,ニュースを政府やマスコミがコントロールしていると思う。

 なお,今回のJR福知山線事故はとんでもない事故であることを忘れてはならない。事故の結果だけを考えるととても先進国の鉄道技術下で起こった事故だとは思われないほどである。なお,上記のアメリカの事故は似ているとはいえ,死者はゼロであることを忘れてはならない。

   

 


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